
[FeF6]3-は無色であるのに対し、[CoF6]3-は可視領域に吸収帯を1本だけもち、色がある理由を考える。
[FeF6]3- の電子配置
F原子は分光化学系列より、弱配位子場配位子であることが知られているから、この錯体は高スピン錯体。
Fe3+イオンはd5金属イオン。
よって電子配置はこのようになる。
![[FeF6]3-の電子配置](https://i0.wp.com/entropy.jp/wp-content/uploads/2023/07/%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%83%88-2023-07-06-20.16.06.png?resize=640%2C141&ssl=1)
[CoF6]3- の電子配置
F原子は弱配位子場配位子だから、この錯体も高スピン錯体。
Co3+イオンはd6金属イオン。
よって電子配置はこのようになる。
![[CoF6]3-の電子配置](https://i0.wp.com/entropy.jp/wp-content/uploads/2023/07/%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%83%88-2023-07-06-20.16.12.png?resize=640%2C131&ssl=1)
色が出る理由
錯体は電子が遷移するためのエネルギーを吸収することで発色する。
しかし、電子は遷移時に相対的な配向を変えることができないから、電子スピンの異なる遷移は禁制である。
つまり、「下向きスピンの電子が上向きスピンの変わりながら遷移することは無い」ということだ。
したがって、電子対を持たず配向が同じ電子しかないFe3+は電子遷移が禁制であるから発色しない。
比べて、Co3+は電子配置から分かるように、配向の同じ電子の遷移が可能であるから発色する。
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