平面四角形錯体を簡単に説明する

本質

強配位子場下でのd配置は平面四角形錯体を形成する傾向にある。

軌道のサイズが大きく、スピン対生成が容易な4d、5d金属では、この傾向はより顕著になる。

詳細

一番立体障害の少ない配置は正四面体構造だ。

しかし、いくつかの四配位錯体はよりエネルギーの高そうな平面四角形配置になる。

静電的な相互作用だけを考慮した場合、配位子の平面四角形配置はd軌道の分裂を引き起こす。

配位子場分裂の説明

dx2-y2軌道が他の軌道より高くなる。

d電子が8個で、結晶場が強く、低スピン配置(dyz2dzx2dz2dxy2)をとるとき、平面四角形配置の方がエネルギー的に安定になる。

具体例

Rh、Ir、Pt、Pd、Auといった4dまたは5dイオン。

これは、4dや5d系列の金属では立体反発がそれほど効果的ではなく、また、配位子場分裂が大きいためである。

3d金属錯体の中の、強配位子場配位子(分光学系列中で高い位置にある配位子)の場合。

[Ni(CN)4]2-とか。

3d金属錯体は普通、四面体形。


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