ヘキサアクアクロム(Ⅱ)イオンの分子構造のヤーン・テラー効果を考える

なぜヤーンテラー効果が起こるか?

ヤーンテラー効果により、分子がひずみ、縮退が解消されることで、縮退した基底状態を持つ非線形分子またはイオンよりも安定した分子になる。

[Cr(H2O)6]2+

Crはd高スピン錯体であるから電子配置はこのようになる。

[Cr(H2O)6]2+の電子配置

eg軌道にある1個の電子は、軌道が縮退しているため、dz2軌道がdx2-y2軌道のどちらかに入る可能性がある。

ここで、ヤーンテラー効果による正方ひずみにより、縮退が解消され、dz2軌道に電子が入るようになる。

よって、分子の構造はCrーO結合の伸長を誇張して描くとこのようになる。

[Cr(H2O)6]2+の分子構造の正方ひずみを表した図


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