結合エンタルピーを用いて反応エンタルピーを推定する

実例

SF4(g)からSF(g)が生成する時の反応エンタルピーを推定する。

条件は以下に示す。

結合エンタルピーを示した

解き方

反応エンタルピーは、結合を切るための結合エンタルピーの和から結合を生成するためのエンタルピーの和を引いたものに等しいことを利用する。

反応は以下である。

SF6を生成する時の反応式

この反応では、F-F結合が1molおよびS-F結合(SF4中)が4mol切れなければならない。

これに対応するエンタルピーの変化は、

結合が切れる時のエンタルピー変化

結合を切るためにエネルギーが使われるのでこのエンタルピー変化は正である。

さらに、S-F結合(SF6中)が6mol生成するが、それに伴うエンタルピー変化は、

結合が生成する時のエンタルピー変化

結合が生成する際にエネルギーが放出されるのでこのエンタルピー変化は負である。

したがって、全体としてのエンタルピー変化は

エンタルピー変化の計算結果

となり、著しい発熱反応であることがわかる。