置換型固溶体
母体の単純な金属の原子の位置のうち、いくつかを溶質金属の原子が占めている固溶体。
3つの条件
1
両元素の原子半径が約15%以内で一致していること。
ナトリウムとカリウムは原子半径の差が19%あり、固溶体を作らない。
対して、銅とニッケルは原子半径が近く、固溶体を作る。
2
両者の純金属の結晶構造が同じであること。
このことは、2種の原子間に働く力の方向性が互いに合っていることを意味する。
3
両者の電気的陽性の程度が似ていること。
そうでなければ、2種の原子間で電子の移動が起こり、化合物となる可能性が高い。
例
黄銅(真鍮)
銅に原子の分率で38%までの亜鉛が入る。
青銅
銅に亜鉛およびニッケル以外の金属を含む。
ステンレス鋼
鉄に原子数の分率で12%を超えるクロムが含まれる。
侵入型固溶体
金属と小さい原子(ホウ素、炭素、窒素)から成ることが多い。
低濃度の小さい原子は母体となる金属の八面体間隙や、四面体間隙のような格子間位置を占有することが可能。
このとき、結晶構造は変化しない。