序論
ナトリウム (Na)、ナトリウムイオン (Na+)、カリウム (K) は、周期表の第1族に属するアルカリ金属であり、化学種として異なる特徴を持っています。これらの化学種の半径を大きい順に並べると以下のようになります:
- カリウム (K)
- ナトリウム (Na)
- ナトリウムイオン (Na+)
1. カリウム (K)
カリウム (K) は、ナトリウム (Na) よりも周期表で一つ下に位置するため、原子番号が大きく、電子殻の数が多いです。カリウム原子は電子が4つのエネルギー準位に分布しており、最外殻電子は第4エネルギー準位に存在します。このため、カリウム原子の半径は大きくなります。カリウム原子の半径は約227ピコメートル (pm) です。
2. ナトリウム (Na)
ナトリウム (Na) は、カリウム (K) の上に位置し、電子殻の数は3つです。ナトリウム原子の最外殻電子は第3エネルギー準位にあり、カリウムよりも電子殻が少ないため、原子半径は小さくなります。ナトリウム原子の半径は約186ピコメートル (pm) です。
3. ナトリウムイオン (Na+)
ナトリウムイオン (Na+) は、ナトリウム原子が1つの電子を失って正電荷を帯びた状態です。電子を失うことで、電子殻の数が3から2に減少し、電子が全て内側の電子殻に収束します。この結果、電子間の反発が減少し、イオン全体が縮むため、ナトリウムイオンの半径は非常に小さくなります。ナトリウムイオンの半径は約102ピコメートル (pm) です。
半径の大きさの理由
各化学種の半径の大きさには、以下の理由が関与しています:
- 電子殻の数:電子殻の数が増えると、電子がより外側のエネルギー準位に存在するため、原子またはイオンの半径が大きくなります。これは、カリウム (K) がナトリウム (Na) よりも大きい理由です。
- 核電荷:同じ電子殻数でも、核電荷(原子番号)が大きいと、核が電子をより強く引きつけるため、半径は小さくなります。しかし、これは同じ周期の元素間の比較において主に影響します。
- イオン化:電子を失うと、電子間の反発が減少し、残った電子が核により強く引き寄せられるため、イオンの半径は対応する原子の半径よりも小さくなります。これがナトリウムイオン (Na+) がナトリウム (Na) よりも小さい理由です。
まとめ
カリウム (K)、ナトリウム (Na)、ナトリウムイオン (Na+) の化学種を半径が大きい順に並べると、カリウム > ナトリウム > ナトリウムイオン となります。これは、電子殻の数、核電荷、イオン化による影響によって説明されます。