大気中の二酸化炭素濃度（0.04%）

大気中の二酸化炭素濃度は小さな割合ではあるが、地球の気候に多大な影響を与える。

科学者たちが過去から取り組んできた研究の成果により、この重要性が明らかになり、現代ではCO₂排出削減が地球規模の課題となっている。これを理解することは、持続可能な未来を築くための第一歩である。

大気中の二酸化炭素濃度の歴史的発見

0.04%という数字の意味

大気中の二酸化炭素濃度は約0.04%であり、一見すると微量である。しかし、この数字が地球環境や気候に与える影響は極めて大きい。二酸化炭素（CO₂）は地球の気候システムにおける重要な温室効果ガスであり、工業革命以降、その濃度は急激に上昇してきた。

歴史的には、CO₂の存在に注目した科学者たちの努力により、濃度の計測とその影響の理解が進んだ。

二酸化炭素の発見とその測定

ジョゼフ・ブラックの功績

1750年代、スコットランドの医師であり化学者でもあるジョゼフ・ブラックは、「空気」そのものが単一の物質ではなく、異なる性質を持つ複数の成分から構成されていることを初めて示した。

彼は「固定空気」と呼ばれるガスが石灰石の焼成によって放出されることを発見し、これが現在の二酸化炭素にあたる。

植物による二酸化炭素の利用と測定

1800年代、ドイツの博物学者アレクサンダー・フォン・フンボルトは、植物が二酸化炭素を吸収し酸素を放出する光合成の仕組みを明らかにし、そのデータを用いて大気中のCO₂濃度の初期推定を行った。

その結果、当時の大気中のCO₂濃度が体積比で約0.04%であることを示した。

温室効果と地球環境への影響

温室効果の仕組み

温室効果は、大気中の温室効果ガスが地表から放射される赤外線を吸収・再放射する現象である。これにより、地球は適度な温度を保つことができる。しかし、CO₂をはじめとする温室効果ガスの濃度が過剰に増加すると、地球温暖化を引き起こす原因となる。温暖化は極地の氷の融解、海面上昇、異常気象の頻発などの深刻な環境問題を誘発する。