地球の大気の密度はどれくらい?

地球の大気の密度について、標準海面条件やその変動要因を踏まえて詳しく解説する。

本記事では、地球大気の密度が持つ重要性、密度に影響を与える要因、他の惑星と比較した際の特徴について掘り下げる。

標準海面条件での大気密度

地球の大気の密度は、標準海面条件(温度 15℃、圧力 1気圧)の下で 1.225 kg/m³ と定義されている。この値は、温度や気圧、湿度といった環境条件が一定の場合の基準値である。この数値は気象学や航空工学の分野で広く使用され、風洞実験や航空機の設計などにおいて基準値として重要な役割を果たす。

標準条件下で得られるこの密度は、空気中の酸素、窒素、アルゴン、水蒸気などの混合物の平均的な密度を示している。しかし、現実世界では気温や湿度の変動により、密度は刻々と変化する。


温度と湿度が大気密度に与える影響

温度の影響

大気の密度は温度に反比例する。温度が高くなると気体分子の運動が活発化し、分子間の距離が広がるため密度が低下する。一方、気温が低下すると分子運動が緩やかになり、密度が増加する。

例えば、温度20℃で乾燥空気の場合、大気の密度は 1.204 kg/m³ にまで低下する。逆に、標準海面条件以下の低温では密度はさらに増加する。

湿度の影響

湿度が高い空気は、水蒸気の分子が乾燥空気の分子よりも軽いため、湿った空気の方が密度が低い。この現象は、湿度が高まることで酸素や窒素といった重い分子が水蒸気と置き換わるためである。


他の惑星との比較

地球の大気密度は、宇宙規模で見ると極めて特異な値を示している。例えば、金星の大気密度は地球の約90倍にも達する一方で、火星の大気密度は地球のわずか 1/140 に過ぎない。このような差異は、それぞれの惑星の重力、表面温度、大気成分によるものである。

金星のような高密度の大気を持つ惑星では、主成分である二酸化炭素の濃度が非常に高く、また表面温度も極端に高い。一方で火星は薄い大気しか持たないため、地表での気圧も非常に低い。この比較により、地球の大気密度が生命の存在に適した環境を提供していることが際立つ。


密度の計算に用いる公式

大気密度(ρ)は以下の状態方程式を用いて計算される。

ここで、

  • P:圧力(Pa)
  • R:気体定数(287 J/(kg·K))
  • T:絶対温度(K)

例えば、温度が15℃(288.15 K)、圧力が1気圧(101325 Pa)の場合、乾燥空気の密度は以下のように計算される。


まとめ

地球の大気密度は、標準条件下で1.225 kg/m³という基準値を持つが、実際には温度や湿度、圧力の影響を受けて変化する。

これらの変動要因は、気象学的な予測や航空工学、宇宙科学などの分野において重要である。また、他の惑星と比較すると、地球の大気密度は生命の維持に適した条件を提供していることがわかる。


簡易な練習問題

問題1

標準海面条件(15℃、1気圧)における大気密度を求めよ。

解答と解説

気体の状態方程式を用いる。

よって、密度は 1.225 kg/m³ となる。


問題2

温度が30℃に上昇した場合、乾燥空気の密度はどのように変化するか説明せよ。

解答と解説

温度が上昇すると密度は低下する。計算を行うと、30℃(303.15 K)の場合、密度は以下のようになる。

よって、密度は低下する。


問題3

湿度が高い空気と乾燥空気では、どちらが密度が低いか?その理由を述べよ。

解答と解説

湿度が高い空気の方が密度は低い。水蒸気の分子量(18 g/mol)は酸素(32 g/mol)や窒素(28 g/mol)よりも小さいため、水蒸気が混ざると全体の密度が下がる。

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