1 kcal あたりのジュール(J)は?

1 kcal は何ジュールか?

1 kcal(キロカロリー)は 4184 J(ジュール)に相当する。これは、水1 kg の温度を 1℃ 上昇させるために必要な熱エネルギー量を示す。


カロリーの歴史と概念の発展

カロリー(calorie)という概念の登場

フランスの科学者アントワーヌ・ラヴォアジエは、フロギストン説を否定し、燃焼と熱の関係を科学的に説明した。しかし、熱を説明する新たな概念として「カロリック(caloric)説」が登場した。
カロリックとはラテン語で「熱」を意味し、当時は目に見えない流体のようなものと考えられていた。

ラヴォアジエの死後、フランスでは彼の理論をもとにしたメートル法が採用された。その後、誰かが水 1 kg の温度を 1℃ 上昇させるために必要な熱エネルギー量を「カロリー(calorie)」と定義した。この概念が広まり、1 kg の物質に適用されると「キロカロリー(kcal)」が使われるようになった。


ジュールによる熱エネルギーの統一

ジェームズ・プレスコット・ジュールの実験

19世紀に入り、イギリスの物理学者ジェームズ・プレスコット・ジュールは、熱とエネルギーの関係を明らかにする実験を行った。彼は、機械的な仕事(運動エネルギー)を熱エネルギーに変換できることを示し、エネルギー保存の法則を確立した。
この発見により、カロリーという概念は物理学的に置き換えられ、熱エネルギーはジュール(J)という単位で測るようになった。


カロリーとジュールの換算式

現在、国際単位系(SI単位系)では、エネルギーの単位として ジュール(J) が正式に採用されている。カロリーとの換算関係は以下の通り。

1kcal=4184 J

また、1 cal(小カロリー)は、4.184 J となる。

1cal=4.184 J

この換算式を使えば、食品のエネルギー量や運動時のエネルギー消費量を SI単位系で統一できる。


実生活での応用

食品のカロリー表記とジュール

現在、多くの国では食品のエネルギー量を kcal で表記するが、一部の国(オーストラリア、ニュージーランドなど)では kJ(キロジュール)を用いる。


ジュールへの換算方法は以下の通り。

1kcal=4.184kJ

例えば、200 kcal の食品エネルギーをジュール単位で表すと

200 kcal × 4.184 = 836.8kJ


簡単な計算問題と解答

問題 1

食品のエネルギーが 500 kcal の場合、これは何ジュール(J)に相当するか?

解答:

500×4184=2,092,000 J=2.092×106 J


問題 2

運動によって 300 kJ のエネルギーを消費した場合、これは何 kcal に相当するか?

解答:

300kJ÷4.184=71.7kcal


問題 3

1 cal は何ジュールか?

解答:

1cal=4.184 J


まとめ

カロリー(cal)は歴史的に熱エネルギーを表すために使用されたが、現在では SI単位系に基づきジュール(J)が正式な単位として採用されている。
食品のエネルギーや運動時の消費エネルギーを理解するためには、カロリーとジュールの換算を知っておくと便利である。


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