![セシウム原子が生み出すマイクロ波の周波数について](https://i0.wp.com/entropy.jp/wp-content/uploads/2024/12/エントロピー-726.jpg?fit=640%2C400&ssl=1)
セシウム原子のマイクロ波遷移は、現代の時間測定の基準として広く利用されている。
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1秒の定義とセシウム原子の役割
現在の国際単位系(SI)における1秒の定義は、セシウム133(Cs-133)原子の特定のエネルギー準位間での遷移に基づいている。
セシウム原子の外殻電子が、二つのエネルギー準位間を9,192,631,770回遷移(往復)するのにかかる時間が、正確に「1秒」と定義されている。
この定義が採用された背景には、地球の自転を基準とした過去の定義では正確性が十分でないという問題があったためである。
地球の自転は環境要因(潮汐摩擦、大気の影響など)によってわずかに変動するため、時間の測定においては安定した基準が求められた。
その結果、物理法則に基づき常に一定の特性を持つ原子の遷移を利用する方法が採用された。
セシウム133とその性質
セシウム133は、原子番号55の元素であり、最も安定した同位体の一つである。
原子核の周りを回る電子は特定の軌道を持ち、エネルギー準位間の遷移によって特定の周波数の電磁波(マイクロ波)を放出する。この遷移によるマイクロ波の周波数が、9,192,631,770 Hzである。
セシウムが時間測定に適している理由は、以下の点にある:
- エネルギー準位が安定しているため、周波数のばらつきが少ない。
- 外部環境の影響を受けにくいため、安定した測定が可能。
- 計測技術との相性が良いため、実用的な高精度時計を作れる。
原子時計と時間計測の精度
セシウム原子時計は、原子の遷移によるマイクロ波の周波数を利用し、極めて高い精度で時間を測定する装置である。
現在、最も標準的な原子時計の誤差は 10¹⁶分の3(3×10⁻¹⁶) であり、これは 1億年で1秒以下の誤差 に相当する。
このような高精度な時間測定技術は、GPSシステムや天文学、基礎物理学の研究など、多くの分野で不可欠な役割を果たしている。
今後の展望
セシウム原子時計は長年にわたり時間測定の標準として利用されてきたが、近年では 光格子時計 など、より精度の高い次世代の原子時計の研究も進められている。
光格子時計は、セシウム原子時計をさらに超える精度を持ち、将来的には新しい秒の定義に採用される可能性がある。
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