光の性質とは?電磁波と粒子の二重性を解説

光の性質は、古典電磁気学では波として説明されるが、量子力学では粒子としての振る舞いも示す。この二重性を理解することで、現代物理学の発展が促され、多くの技術革新に繋がった。

光の研究は、量子コンピュータや光通信など、未来の技術の発展にも不可欠な要素となるであろう。

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1. 光とは何か

光は電磁波の一種であり、波長の違いによって可視光、紫外線、赤外線、X線、γ線などに分類される。これらの電磁波はマクスウェルの方程式に従い、電場と磁場が互いに直交しながら空間を伝播する。光の速度は真空中では一定であり、c=2.9979×108 m/s である。

2. 光の波動性

光が波としての性質を持つことは、ヤングの二重スリットの実験によって証明された。この実験では、光がスリットを通過した後に干渉縞を形成することが観測された。これは、光が波として振る舞い、位相のずれによる干渉現象を示すものである。

3. 光の粒子性

20世紀初頭に光の粒子性が示唆されるようになった。光電効果の実験では、光が金属表面に当たると電子が飛び出すことが観測された。この現象は、光がエネルギーを持つ粒子(光子)として振る舞うことで説明される。光子のエネルギーはプランクの関係式によって表される。

ここで、h=6.6261×10−34 J·s はプランク定数、ν は光の振動数である。この式は、光のエネルギーが振動数に比例し、連続的ではなく離散的な値を取ることを示している。

4. 光の波動性と粒子性の統一

光の波動性と粒子性を統一的に説明するために量子力学が発展した。1924年、ド・ブロイは「物質波」の概念を提唱し、すべての粒子は波としての性質も持つことを示した。彼の関係式は以下の通りである。

ここで、λ は波長、p は運動量である。この理論により、電子や光子などの微視的な粒子が波としても振る舞うことが明らかになった。

5. 量子力学と光の性質

光の波動性と粒子性を同時に説明するために量子電磁気学(QED)が確立された。この理論によれば、光は電磁場の量子であり、確率的に相互作用する。

例えば、コンプトン散乱では、X線が電子と衝突することで波長が変化することが観測された。これは、光子のエネルギーと運動量が保存されることを示しており、光の粒子性の強力な証拠となった。

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