ルイス記号を用いて分子を表す際、複数のルイス構造で表せる場合がある。
今回は、この問題について解説する。
イントロ
例えば、O3(オゾン)のルイス構造を考えてみよう。
以下のように、1本の単結合と1本の二重結合を持つ2つのルイス構造を表せる。
このように、同一の分子を複数のルイス構造で表せる場合、その分子はすべてのルイス構造の平均として存在している。
共鳴混成体
O3の構造を実験的に調べてみると、両結合は等価で、しかも単結合と二重結合の中間の長さと強度を持つことが分かる。
実際の分子構造は、2つの共鳴構造の中間体なものであり、共鳴混成体と呼ばれる。
共鳴混成体の構造は2つの共鳴構造の中間となる。
オゾンの共鳴混成体では、寄与する構造はみな等価なルイス構造である。
この場合には、真の構造はそれぞれの共鳴構造の相加平均となる。
しかし、非等価な共鳴構造が存在する場合もある。
複数の非等価な共鳴構造が存在すると、分子の真の構造は、それぞれの共鳴構造の加重平均で表される。
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