塩化コバルト(III)とアンモニアの反応によるコバルト錯体の構造

塩化コバルト(III)とアンモニアの反応により形成されるコバルト錯体は、コバルト(III)イオン、塩化物イオン、アンモニアの配位子から構成される。

この反応によって得られる錯体は、アンモニアの配位数によって異なる構造を持つ。以下に、想定される代表的な錯体の構造式を3つ示す。

1. 六配位の錯体 [Co(NH3)6]Cl3

六配位の錯体で、コバルト(III)イオンに6つのアンモニア分子が配位した構造を持つ。この錯体は非常に安定であり、配位子は全てアンモニアである。

2. 五配位の錯体 [Co(NH3)5Cl]Cl2

五配位の錯体で、コバルト(III)イオンに5つのアンモニア分子と1つの塩化物イオンが配位した構造を持つ。塩化物イオンは配位子としてコバルトに直接結合する。

3. 四配位の錯体 [Co(NH3)4Cl2]Cl

四配位の錯体で、コバルト(III)イオンに4つのアンモニア分子と2つの塩化物イオンが配位した構造を持つ。

2つの塩化物イオンが配位子としてコバルトに直接結合する。

各錯体の特徴と配位数の影響

これらの錯体の構造は、アンモニアの配位数によって異なる物理化学的性質を示す。六配位の錯体は配位数が多く、安定であることが知られている。

一方、五配位および四配位の錯体は、配位子の数が減るため、電子構造や分子の対称性が異なり、異なる化学的特性を示す。

練習問題

問題1

次の錯体の名称を答えよ: [Co(NH3)4Cl2]Cl

解答

テトラアンミンジクロロコバルト(III)塩化物

問題2

次の錯体の配位数を答えよ: [Co(NH3)5Cl]Cl2

解答

配位数は6(アンモニア5、塩化物1)

問題3

次の錯体の化学式を答えよ: ヘキサアンミンコバルト(III)塩化物

解答

[Co(NH3)6]Cl3

問題4

次の錯体に含まれるアンモニアの数を答えよ: [Co(NH3)4Cl2]Cl

解答

4分子

問題5

次の錯体のイオン式を答えよ: ペンタアンミンコバルト(III)クロリド

解答

[Co(NH3)5Cl]2+

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