高分子化学では、分子のサイズや重量に関する情報を示すために、数平均分子量 (Mn) と 重量平均分子量 (Mw) という指標が用いられる。これらの指標は、同じ高分子であっても分子の大きさが異なる場合、その平均的な性質を知るために非常に重要である。以下では、数平均分子量と重量平均分子量の計算方法とその解説を詳述する。
数平均分子量 (Mn) と重量平均分子量 (Mw) の定義
数平均分子量 (Mn)
数平均分子量 (Mn) は、個々の分子量の平均値を算出するものである。高分子の鎖長が均一でない場合に、それぞれの分子が持つ個数に基づいて平均値を求める。
数平均分子量の公式
重量平均分子量 (Mw)
重量平均分子量 (Mw) は、分子量が大きい分子ほどその影響が強く出るように計算される。重量平均分子量は、高分子が持つ全体の重量に対する重み付け平均として定義される。
重量平均分子量の公式
問題と解答の解説
問題 1
以下の分子の平均分子量 Mn と Mw を計算せよ。
分子量 | 個数 |
---|---|
10,000 | 3本 |
1,000 | 10本 |
解答 1
数平均分子量 Mn の計算
重量平均分子量 Mw の計算
問題 2
以下の分子の平均分子量 Mn と Mw を計算せよ。
分子量 | 個数 |
---|---|
10,000 | 3本 |
1,000 | 10本 |
100 | 10本 |
解答 2
数平均分子量 Mnの計算
重量平均分子量 Mw の計算
まとめ
上記の例から分かるように、数平均分子量 Mnn は単純な個数の平均を計算するが、重量平均分子量 Mw は分子量が高い成分の影響をより強く受ける。
高分子材料の特性を把握するためには、これら両方の値を理解し、それぞれの違いを活用することが重要である。