ニュートン運動方程式から導かれる物理法則

ニュートンの運動方程式とその微分的展開

ニュートン力学における基本方程式

物体の運動を記述する最も基本的な枠組みは、ニュートンの運動方程式である。この式は、質量を持つ物体が受ける力とその加速度との関係を表しており、次のように定式化される。

 ma = F(x) …(1)

ここで、m は質点の質量、a は加速度、F(x) は位置 x における力である。

加速度と速度の定義

加速度 a は、単位時間あたりの速度 v の変化率として定義される。この関係は、微分の極限として以下のように表現される。

 a = dv/dt = lim(Δt→0) [(v(t+Δt) - v(t))/Δt] …(2)

一方、速度 v もまた位置 x の時間変化、すなわち時間に関する微分として定義される。

 v = dx/dt = lim(Δt→0) [(x(t+Δt) - x(t))/Δt] …(3)

したがって、加速度 a は位置 x の2階微分、すなわち時間に関する2回微分として次のように表される。

 a = d²x/dt²

中心差分による加速度の導出

二次の中心差分を用いた定式化

加速度の定義を、数値計算の文脈でよく用いられる中心差分の手法により表現すると、次のような形に導かれる。

 a = lim(Δt→0) (1/(Δt)²) [x(t+Δt) - 2x(t) + x(t−Δt)] …(4)

この式は、加速度が時間 t における位置 x の「曲率(曲がり具合)」を反映していることを示している。

物理的意味と視覚的解釈

この表現は、位置 x の時間変化における二次的な変動、すなわち t を中心にして前後の位置との差をとることで、変化の程度を浮き彫りにする。これは、x−t グラフ上での位置の曲がり方を示しており、運動の「直線性」あるいは「非直線性」を数学的に捉える指標である。

対称平均による幾何学的解釈

平均位置と中心点との差分

位置 x の t±Δt における値の平均を取り、それと x(t) の差をとることで、運動の対称性を評価することができる。B' の値を以下のように定義する。

 B′ = ½ [x(t+Δt) + x(t−Δt)]

これに対し、時刻 t における位置 x(t) との差を b とおくと、

 b = ½ [x(t+Δt) + x(t−Δt)] − x(t) …(5)

この b の値は、x が時刻 A から C に変化する際に、どの程度で曲がっているか、すなわち「曲率」を定量的に評価する量となる。

等速直線運動との比較

特に、運動が等速直線運動である場合、位置 x は時間に対して線形に変化するため、x(t+Δt) + x(t−Δt) = 2x(t) となり、b = 0 となる。これは、曲がりがない、すなわち直線的な変化を意味する。

b を用いた加速度の表現

前述の式(4)に式(5)を代入することで、加速度を b に基づいて以下のように定義できる。

 aₓ = lim(Δt→0) (2b)/(Δt)² …(6)

この式は、b が加速度に直接対応していることを明示的に示している。すなわち、b は時間対称の差分から得られる「曲率の尺度」であり、それを2倍してΔt²で割ることにより、加速度が得られる。

結論:運動の曲率と加速度の関係性

このように、加速度 a を位置の時間2階微分として捉える際に、中心差分や対称平均を用いることで、運動の非線形性、すなわち曲率の度合いを定量的に評価することが可能となる。特に、等速運動では b = 0 となり、曲がりがないことが数式上でも明確に現れる。

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