
「化学用語解説」の記事一覧

マクスウェルモデルにおける応力緩和
マクスウェルモデルの構成と基本原理 マクスウェルモデルは、完全弾性体(弾性率 E を持つばね)と、純粋粘性体(粘性係数 ηE を持つダッシュポット)を直列に接続して構成される粘弾性体の代表的なモデルである。 ↓図1 図 […]

高分子の結晶化と構造評価「WAXDおよびSAXS」について
高分子の結晶化とは何か 高分子が通常の条件下で結晶化する場合、それは溶融状態もしくは溶液中において糸まり状、すなわち複雑に絡まり合った状態から始まる。 この過程において高分子鎖は、分子鎖長よりもはるかに短いナノメートル( […]

ワイゼンベルグ効果とは?
ワイゼンベルグ効果とは何か? ワイゼンベルグ効果とは、特定の流体が外力により直感に反する運動を示す現象であり、特に非ニュートン流体において顕著に観察される。この効果は、K. Weisenberg によって科学的に明らかに […]

ガラス転移のメカニズム
ガラス転移現象の物理的背景 熱力学的視点から見たガラス転移 ガラス転移現象は、熱力学的な二次転移と捉えられることもあり、そのメカニズムに関してはこれまでにさまざまな観点からの説明がなされてきた。その中でも、現在広く採用さ […]

Rouseのばね−ビーズモデルとは?
Rouseモデルとは何か 高分子材料の力学的性質を理解する上で、Rouse(1953年)が提唱した「ばね−ビーズモデル(spring-beads model)」は、最も基本的かつ重要な理論モデルの一つとして広く認識されて […]

高分子材料におけるミクロ相分離構造の大きさと分子鎖長の関係「式変形」
ミクロ相分離構造と弾性エネルギーの理論的背景 高分子鎖における弾性力の定式化 高分子鎖が伸張されたとき、それはフックの法則に類似した挙動を示し、弾性力 f は距離 r に比例し、分子のサイズを表す nb2 に反比例する。 […]

ブロック共重合体におけるミクロ相分離の発生条件と構造形成メカニズム
ブロック共重合体が規則構造を形成する理由 ブロック共重合体がなぜ相分離構造を持つのかという問題は、自由エネルギーの比較を通じて説明できる。 すなわち、無秩序に混ざり合った状態と、同じブロック鎖同士が集まった状態とを比較し […]

「実空間」と「逆空間」の違いとは?―高分子物質研究における応用とその意義
実空間と逆空間の基礎概念 実空間とは何か 実空間とは、直接的に物の大きさや長さを測ることが可能な世界である。たとえば高分子物質の観察においては、その特徴的な長さが原子の大きさのおよそ100倍に相当する際、10⁵倍程度まで […]