「化学」の記事一覧
錯体に無色のものと色があるものの違い(鉄イオン、コバルトイオン)
[FeF6]3-は無色であるのに対し、[CoF6]3-は可視領域に吸収帯を1本だけもち、色がある理由を考える。 [FeF6]3- の電子配置 F原子は分光化学系列より、弱配位子場配位子であることが知られているから、この錯 […]
ヘキサアクアクロム(Ⅱ)イオンの分子構造のヤーン・テラー効果を考える
なぜヤーンテラー効果が起こるか? ヤーンテラー効果により、分子がひずみ、縮退が解消されることで、縮退した基底状態を持つ非線形分子またはイオンよりも安定した分子になる。 [Cr(H2O)6]2+ Crはd4高スピン錯体であ […]
錯体の色を考える”コバルト錯体”
錯体の色は何で決まるか? 錯体の色は、主に遷移金属イオンの配位状態によって決まる。 遷移金属イオンは周りに配位子を持つことで錯体を形成する。 この配位子によって、遷移金属イオンの電子状態が変化し、光の吸収や放出が起こるこ […]
「LFSE」いろんな錯体の配位子場安定化エネルギーを求める
導入 電子配置、不対電子の数、結晶場理論、結晶場分裂などから配位子場安定化エネルギー”LFSE"を求める。 [Co(NH3)6]3+ NH3は中性だから、八面体錯体中のコバルトイオンは+3に荷電。 NH3は分光化学系列の […]
平面四角形錯体を簡単に説明する
本質 強配位子場下でのd8配置は平面四角形錯体を形成する傾向にある。 軌道のサイズが大きく、スピン対生成が容易な4d、5d金属では、この傾向はより顕著になる。 詳細 一番立体障害の少ない配置は正四面体構造だ。 しかし、い […]
ヤーン・テラー効果「錯体のひずみを説明する」
基礎 錯体の基底電子配置において軌道が縮退しているときは、正方歪みが起こる。 これはつまり、縮退を解消してより低エネルギー化するために錯体が歪む。 ひずみ a 二つの配位子が中心金属イオンから離れるように動いた場合の正方 […]
四ハロゲン化ケイ素と三ハロゲン化ホウ素のルイス酸性の傾向の違い
四ハロゲン化ケイ素のルイス酸性の傾向 SiI4 < SiBr4 < SiCl4 < SiF4 三ハロゲン化ホウ素のルイス酸の傾向 BF3 < BCl3 < BBr3 < BI3 傾向の […]
置換型固溶体と侵入型固溶体
置換型固溶体 母体の単純な金属の原子の位置のうち、いくつかを溶質金属の原子が占めている固溶体。 3つの条件 1 両元素の原子半径が約15%以内で一致していること。 ナトリウムとカリウムは原子半径の差が19%あり、固溶体を […]
HeHe*二原子分子の分子軌道
題材 He原子が光子を吸収して1s12s1配置を持つ状態に励起されると、他のHe原子と弱い結合を作ってHeHe*二原子分子を生じる。 この化学種の結合の分子軌道を考える。 励起されたHe原子をここではHe*と表記する。 […]