アルケンの水素化「還元」

はじめに

アルケンは、金属触媒(パラジウム、白金)の存在下で、水素と反応してアルカン付加生成物を与える。

これすなわち、二重結合が水素化したということ。

化学の世界では、これを”還元”された。という。

しかし、有機化学において”還元”は炭素の電子密度が増大するような反応で、

・炭素とそれより電気陰性度が小さい原子との結合生成

・炭素とそれより電気陰性度が大きい原子との間の結合開裂

によって起こる。

還元とは

上記で示したように、還元とは以下のようにまとめることができる。

還元=炭素の電子密度の増大

CーH結合の生成

CーO、C-N、C-X結合いずれかの開裂

アルケンの水素化における還元について説明した画像

水素化の触媒

アルケンの水素化における触媒として、白金、パラジウムがよく知られている。

触媒を用いた水素化は、不均一過程で反応が行われる。

つまり、水素化反応は均一な溶液中で起こるのではなく、個体の触媒粒子の表面で起こる。

水素化は通常、水素原子が2個とも同じ面から二重結合に付加する。

アルケンの水素化における立体選択性を示した画像

芳香環は還元されない

アルケンは水素化に対して、不飽和結合をもつ他の多くの官能基よりもずっと反応し易く、選択的

次に示すように、二重結合が全て水素化される訳ではないことを知っていて欲しい。

アルケンの水素化において、二重結合が全て水素化される訳ではないことを示した画像

生成物を予測する

a

アルケンの水素化の例1

b

アルケンの水素化の例2

c

アルケンの水素化の例3


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