ポリエチレンテレフタレート（PET）の合成反応式と数平均重合度が200に達するための反応率

ポリエチレンテレフタレート（PET）の合成反応式

ポリエチレンテレフタレート（PET）は、テレフタル酸（ジカルボン酸）とエチレングリコール（ジオール）の重縮合反応によって合成される。この重縮合反応において、PETの基本的な合成反応式は以下のように表される。

化学反応式

ここで、

  • HOOC–C6​H4​–COOH はテレフタル酸（ジカルボン酸）、
  • HO–CH2​–CH2​–OH はエチレングリコール（ジオール）である。

この反応は縮合重合であり、反応が進むにつれて水（H2​O）が生成される。このため、反応率を高くするためには、生成した水を反応系から除去することが重要である。

数平均重合度が200に達するための反応率

数平均重合度を求める場合、重縮合によるポリマー化における反応率（p）との関係を利用する。ジカルボン酸とジオールを等モルずつ用いた場合関係式は以下のようになる。

Xn=1/1−p

ここで、Xnが200に達するための反応率pを求める。

計算手順

200=1/1−p

この式を変形してpを解くと、

p=0.995

したがって、数平均重合度が200に達するためには、反応率pが0.995、すなわち99.5%である必要がある。

練習問題

  1. 問題1
    ポリエチレンテレフタレート（PET）の重縮合反応では、テレフタル酸とエチレングリコールが何種類の官能基を持つか答えよ。
    • 解答と解説
      テレフタル酸は2つのカルボキシル基（–COOH）を持ち、エチレングリコールは2つのヒドロキシル基（–OH）を持つ。したがって、テレフタル酸とエチレングリコールはそれぞれ2種類の官能基を持つ。
  2. 問題2
    数平均重合度が100に達するための反応率pを求めよ。
    • 解答と解説
      数平均重合度が100に達するためには反応率が99%である必要がある。
  3. 問題3
    PETの重縮合反応で、生成する副生成物は何か。また、その副生成物の除去がなぜ重要か説明せよ。
    • 解答と解説
      副生成物は水（H2​O）である。この水を除去しなければ反応が逆方向に進み、重合度が低くなるため、高い重合度を得るためには生成した水を系外に取り除くことが重要である。