有機

NH₃(アンモニア)

アンモニア:なぜ「正四面体」ではないのか?

アンモニアの中心にある窒素(N)の周りには、合計4つの電子密度が高い領域があります。

  • 3つの共有電子対(Hとの結合)
  • 1つの非共有電子対(孤立電子対)

予測される形と実際の形

電子対が4方向へ均等に広がろうとするため、電子対の配置自体は正四面体型を目指します。しかし、私たちは「電子そのもの」を見ることはできません。原子の位置だけを繋いで見ると、その形は三角錐形になります。

ここがポイント!「結合角のひずみ」

理想的な正四面体の角度は109.5°ですが、アンモニアの実測値は106.7°と少し小さくなっています。

理由: 非共有電子対は、結合している電子対よりも「わがまま(反発力が強い)」です。隣の結合をぐいっと押しつぶすため、角度が狭まってしまうのです。

CH₃⁺(メチルカチオン)

一方で、メチルカチオン(炭素カチオン)の場合はどうでしょうか。

  • 3つの共有電子対(Hとの結合)
  • 非共有電子対はゼロ

中心の炭素(C)の周りには3つの領域しかありません。3つのものが最も離れられる配置は、一つの平面上で$120^{\circ}$ずつ離れる形です。

  • 形状: 平面三角形
  • 結合角: 120°

CH₂Cl₂(ジクロロメタン)

形状: 正四面体

結合角: 109.5°

CH₃OH(メタノール)

  • 形状: 正四面体
  • 結合角: 109.5°

HCO₂⁻(ギ酸イオン)

  • 形状: 平面三角形
  • 結合角: 120°

HCN(シアン化水素)

  • 形状: 直線
  • 結合角: 180°