高分子の平均分子量の計算を解説!

高分子化学では、分子のサイズや重量に関する情報を示すために、数平均分子量 (Mn)重量平均分子量 (Mw) という指標が用いられる。これらの指標は、同じ高分子であっても分子の大きさが異なる場合、その平均的な性質を知るために非常に重要である。以下では、数平均分子量と重量平均分子量の計算方法とその解説を詳述する。

数平均分子量 (Mn) と重量平均分子量 (Mw) の定義

数平均分子量 (Mn)

数平均分子量 (Mn) は、個々の分子量の平均値を算出するものである。高分子の鎖長が均一でない場合に、それぞれの分子が持つ個数に基づいて平均値を求める。

数平均分子量の公式

重量平均分子量 (Mw)

重量平均分子量 (Mw) は、分子量が大きい分子ほどその影響が強く出るように計算される。重量平均分子量は、高分子が持つ全体の重量に対する重み付け平均として定義される。

重量平均分子量の公式

問題と解答の解説

問題 1

以下の分子の平均分子量 Mn と Mw​ を計算せよ。

分子量個数
10,0003本
1,00010本
解答 1

数平均分子量 Mn​ の計算

重量平均分子量 Mw​ の計算

問題 2

以下の分子の平均分子量 Mn​ と Mw​ を計算せよ。

分子量個数
10,0003本
1,00010本
10010本
解答 2

数平均分子量 Mnの計算

重量平均分子量 Mw​ の計算

まとめ

上記の例から分かるように、数平均分子量 Mnn​ は単純な個数の平均を計算するが、重量平均分子量 Mw は分子量が高い成分の影響をより強く受ける。

高分子材料の特性を把握するためには、これら両方の値を理解し、それぞれの違いを活用することが重要である。