![アルケンの水素化「還元」](https://i0.wp.com/entropy.jp/wp-content/uploads/2023/07/名称未設定.001.jpeg?fit=640%2C360&ssl=1)
はじめに
アルケンは、金属触媒(パラジウム、白金)の存在下で、水素と反応してアルカン付加生成物を与える。
これすなわち、二重結合が水素化したということ。
化学の世界では、これを”還元”された。という。
しかし、有機化学において”還元”は炭素の電子密度が増大するような反応で、
・炭素とそれより電気陰性度が小さい原子との結合生成
・炭素とそれより電気陰性度が大きい原子との間の結合開裂
によって起こる。
還元とは
上記で示したように、還元とは以下のようにまとめることができる。
還元=炭素の電子密度の増大
↓
CーH結合の生成
CーO、C-N、C-X結合いずれかの開裂
![アルケンの水素化における還元について説明した画像](https://i0.wp.com/entropy.jp/wp-content/uploads/2023/07/スクリーンショット-2023-07-17-23.18.41.png?resize=640%2C145&ssl=1)
水素化の触媒
アルケンの水素化における触媒として、白金、パラジウムがよく知られている。
触媒を用いた水素化は、不均一過程で反応が行われる。
つまり、水素化反応は均一な溶液中で起こるのではなく、個体の触媒粒子の表面で起こる。
水素化は通常、水素原子が2個とも同じ面から二重結合に付加する。
![アルケンの水素化における立体選択性を示した画像](https://i0.wp.com/entropy.jp/wp-content/uploads/2023/07/スクリーンショット-2023-07-17-23.18.45.png?resize=640%2C188&ssl=1)
芳香環は還元されない
アルケンは水素化に対して、不飽和結合をもつ他の多くの官能基よりもずっと反応し易く、選択的。
次に示すように、二重結合が全て水素化される訳ではないことを知っていて欲しい。
![アルケンの水素化において、二重結合が全て水素化される訳ではないことを示した画像](https://i0.wp.com/entropy.jp/wp-content/uploads/2023/07/スクリーンショット-2023-07-17-23.18.49.png?resize=640%2C502&ssl=1)
生成物を予測する
a
![アルケンの水素化の例1](https://i0.wp.com/entropy.jp/wp-content/uploads/2023/07/スクリーンショット-2023-07-17-23.19.00.png?resize=640%2C136&ssl=1)
b
![アルケンの水素化の例2](https://i0.wp.com/entropy.jp/wp-content/uploads/2023/07/スクリーンショット-2023-07-17-23.19.03.png?resize=640%2C161&ssl=1)
c
![アルケンの水素化の例3](https://i0.wp.com/entropy.jp/wp-content/uploads/2023/07/スクリーンショット-2023-07-17-23.19.06.png?resize=640%2C171&ssl=1)