オキシ水銀化によりアルケンを水和する

はじめに

水がアルケンに付加することを水和という。

この反応は、アルケンを水と強酸触媒で処理するとHXの付加とほぼ同じ機構で起こる。

アルケンの酸触媒水和は大規模な工業的製法に適しており、エチレンの水和で多量のエタノールが毎年作られている。

ここでは、実験室スケールで行いやすい、オキシ水銀化ー脱水銀反応を説明する。

オキシ水銀化ー脱水銀反応とは

オキシ水銀化は、THF水溶媒中、酢酸水銀(Ⅱ)との反応でアルケンにHg2+が求電子付加するものである。

続いて、中間体の有機水銀化合物を水素化ホウ素ナトリウムNaBH4で処理すると脱水銀反応が起こり、アルコールが生成する。

例として次の反応が挙げられる。

1-メチルシクロペンテンのオキシ水銀化反応

反応の位置選択性は、マルコフニコフ型付加に相当する。

問題を見てみる

オキシ水銀化で、どんな生成物が得られるか予想せよ

CH3CH2CH2CH=CH2

CH3CH2CH2CH=CH2のオキシ水銀化反応

(CH3)2C=CHCH2CH3

(CH3)2C=CHCH2CH3のオキシ水銀化反応

次のアルコールはどんなアルケンから合成したら良いか

(CH3)2COHCH2CH2CH3

(CH3)2COHCH2CH2CH3へのオキシ水銀化反応の出発物

シクロ系アルコール

オキシ水銀化反応の生成物の出発物を予想した反応式


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