![オキシ水銀化によりアルケンを水和する](https://i0.wp.com/entropy.jp/wp-content/uploads/2023/07/名称未設定.001.jpeg?fit=640%2C360&ssl=1)
はじめに
水がアルケンに付加することを水和という。
この反応は、アルケンを水と強酸触媒で処理するとHXの付加とほぼ同じ機構で起こる。
アルケンの酸触媒水和は大規模な工業的製法に適しており、エチレンの水和で多量のエタノールが毎年作られている。
ここでは、実験室スケールで行いやすい、オキシ水銀化ー脱水銀反応を説明する。
オキシ水銀化ー脱水銀反応とは
オキシ水銀化は、THF水溶媒中、酢酸水銀(Ⅱ)との反応でアルケンにHg2+が求電子付加するものである。
続いて、中間体の有機水銀化合物を水素化ホウ素ナトリウムNaBH4で処理すると脱水銀反応が起こり、アルコールが生成する。
例として次の反応が挙げられる。
![1-メチルシクロペンテンのオキシ水銀化反応](https://i0.wp.com/entropy.jp/wp-content/uploads/2023/07/スクリーンショット-2023-07-15-11.31.38.png?resize=640%2C181&ssl=1)
反応の位置選択性は、マルコフニコフ型付加に相当する。
問題を見てみる
オキシ水銀化で、どんな生成物が得られるか予想せよ
CH3CH2CH2CH=CH2
![CH3CH2CH2CH=CH2のオキシ水銀化反応](https://i0.wp.com/entropy.jp/wp-content/uploads/2023/07/スクリーンショット-2023-07-15-11.31.46.png?resize=640%2C93&ssl=1)
(CH3)2C=CHCH2CH3
![(CH3)2C=CHCH2CH3のオキシ水銀化反応](https://i0.wp.com/entropy.jp/wp-content/uploads/2023/07/スクリーンショット-2023-07-15-11.31.51.png?resize=640%2C127&ssl=1)
次のアルコールはどんなアルケンから合成したら良いか
(CH3)2COHCH2CH2CH3
![(CH3)2COHCH2CH2CH3へのオキシ水銀化反応の出発物](https://i0.wp.com/entropy.jp/wp-content/uploads/2023/07/スクリーンショット-2023-07-15-11.31.56.png?resize=640%2C120&ssl=1)
シクロ系アルコール
![オキシ水銀化反応の生成物の出発物を予想した反応式](https://i0.wp.com/entropy.jp/wp-content/uploads/2023/07/スクリーンショット-2023-07-15-11.32.00.png?resize=640%2C159&ssl=1)